商品先物取引――。なにやらムズカシイ言葉ではありますが、もしも、「商品なんて、自分には関係ない」と感じている人がいたら、それは大きな間違いです!
そもそも「商品」とは、私たちの身の回りにあふれ返っているあらゆるモノの「モト」のこと。たとえば、仕事の合間に飲む「コーヒー」やドライブに欠かせない「ガソリン」、携帯電話の部品に使われる「金」等々。「商品」は、私たちの生活にすっかり溶け込んでいます。
もし、「商品」を独り占めする業者が現れたら――。需給バランスが崩れて価格が大きく動き、その影響は生産者や流通業者だけにとどまらず、私たち消費者など世界中の隅々にまで波及してしまいます。そんな混乱を防ぐためにも、「商品」の売買については商品先物取引という世界共通のルールを設けることで、常に安定供給が図られているのです。
オークション形式で価格を決定
「商品」の価格は、売り手と買い手が直接交渉する相対取引ではなく、世界に数か所、日本国内にも4か所ある取引所で公正に決定されます。
取引の参加者には、実際の商品(現物)を取り扱う商社や業者のほか、商品そのものは不要だけれども、商品を通じて投資を行うことを目的とした機関投資家や個人投資家などが混在。様々な立場の参加者を広く募ることで、公正な価格形成が期待されています。
起源は江戸時代の大阪「米相場」
こうして「商品」の値段を安定させることで経済全体をも安定させるのが、商品先物取引の大きな役割。このしくみ自体は1730年頃、江戸時代の大阪・堂島で「米」の先物取引というかたちで始まったとされています。
当時の米は貨幣と同じ役割をする、日本経済の基盤ともいえる存在。天候によって収穫量が大きく左右され、値段が乱高下して国内が混乱するのを防ぐために、商人と生産者の間で、収穫よりも前に米の取引を約束。現物の米を動かす代わりに、「この米はいくらで交換できる」と記された「手形」を用いた取引が行われていたのです。
脚光を浴びはじめた「商品」
近年、「商品」への注目度が急速に高まっています。
「商品」の産出国はひと握りの国や地域に偏っていて、その多くが新興国という特徴があります。米国や英国など先進国でも原油は産出されているものの、そのほとんどが自国で消費されてしまうため、日本など資源を持たない国は新興国を頼るしかありません。
にもかかわらず、近年、新興国の経済発展が目覚しく、産出国の自国消費量が増加傾向に。限りある資源をめぐる争奪戦が世界中で静かに繰り広げられているのです。
