今、「商品」に熱い視線が注がれている理由――。「商品」を語るうえで見逃せないのが、資源産出国がその権利を主張する「資源ナショナリズム」という世界的な動きです。
商品先物取引の対象となる主な鉱物資源の産出国をみると、その多くがひと握りの国や地域に偏っており、世界の消費を賄うだけの量を確保できる国や地域となれば、さらに限定されてしまいます。
近年、これらの国々が揃って自国に存在する資源の所有権を強く主張。これまで先進国に頼っていた資源の管理・開発を国有化する「資源ナショナリズム」が高まっています。
資源国有化で自国の利益を主張
現在、世界の原油需要を支えているのはサウジアラビア、イラン、イラク、UAE(アラブ首長国連邦)、ベネズエラ、ナイジェリア、メキシコ、インドネシアなどの新興国といわれる国々。
かつて原油は「石油メジャー」と呼ばれる、原油の開発・生産・販売などを一貫して手掛ける欧米の巨大企業によりすべてがコントロールされ、ひいては、産出国の経済までもが支配されていました。
これに不満を抱いた産出国が1960年にOPEC(石油輸出国機構)を設立。油田の国有化政策を進めるなどして価格支配力を強め、石油メジャーの影響力を排除。資源が外交カードとして力を発揮するようになると同時に、産油国には莫大な富がもたらされるようになったのです。
OPECの誕生とともに原油の支配形態が様変わりしたように、そのほかの鉱物資源産出国でも同様の動きが加速しています。南アフリカの「白金」「パラジウム」、ボリビアの「銀」「亜鉛」のほか、ロシアの「アルミ」「ニッケル」「白金」etc――。
このような資源ナショナリズムの台頭は、近年、生産国とより安価な原材料の供給を求める先進消費国との対立の構図を生み出しています。
世界は「商品」で動かされている!
原油高を背景にしたオイルマネーなど、資源産出国が抱える潤沢な資金が世界中で投資の輪を広げています。実態は明らかではありませんが、欧米のヘッジファンドや年金運用機関、アジアの富裕層、そして中東の金融機関などが運用する巨額の投機マネーが、株や為替、債券などの金融商品から「商品」へと移動。商品相場のスケールをますます大きくしています。
そんな商品先物市場の動向を図る際に使われるのが「CRB商品指数」。原油や金、大豆やコーンなど主要商品で構成される指標で、別名「インフレ指数」ともいわれるなど、特に米国の金利政策に強い影響力を及ぼしています。もはや「商品」の動向は、世界経済を語るうえで欠かせない存在なのです。
