
●急成長するCFD
新しい金融商品としてCFD(Contract For Difference、「差額決済契約」)が注目されている。日本ではまだ馴染みがないが、CFDは、現在世界70カ国以上の投資家に取引されている急成長の金融取引商品だ。日本では2社がCFDを取り扱っているが、今後、個人投資家の関心が徐々に広がっていきそうだ。
●CFDって何?
CFDは証拠金を用いたレバレッジ取引。証拠金取引は、取引金額のある一定割合の資産を当初証拠金として取扱証券に預け入れることで、より大きなポジションを建てることが可能となり、取引資産をより有効活用できる。CMCマーケッツの場合、証拠金率は日本現物株CFDが10%(7月15日より6%)、日経株価指数のJapan225 CFDが1%(7月15日より0.5%)〔※〕。
個人の関心が高まっている外国為替証拠金取引(FX)はCFDの1種といえる。現物株、業種別指数、株価指数、債券、FXなどの値動きをそのまま反映しながらも、物理的に現物株(原資産)などを所有することなく、原資産取引と同様に売買価格の差で決定する。
例えば、トヨタ自動車現物株CFDを1現物株CFD購入。この現物株CFDの価格は実際のトヨタ自動車現物株の値動きを反映するが、実際に現物のトヨタ自動車株を保有しているわけではない。しかし、通常の現物株取引と同様に売買価格の差額がCFD取引の損益となる。
※証拠金率は取引経験や資産状況など総合的に判断し決定されるため、必ずしも1%、0.5%とならない可能性がある。
●CFDのメリット
すでに2000年にCFDの提供を開始したCFD取引の世界的なパイオニアであるCMCマーケッツによると、同社グループの一日平均取引量は10億ドルに達し、日本、北米、アジア、オセアニア、ヨーロッパ市場を含むグローバル市場の現物株、株価指数、業種別指数、債券など4000銘柄以上の取引が可能という。
同社は6月から日本でもCFDの取り扱いを開始したが、このうち、国内外の業種別指数CFDを提供しているのは、同社が日本で初めて。各国市場の取引については、日本の投資家が日中はアジア、夕方はヨーロッパ、夜間はアメリカと、24時間取引が可能なことも魅力の一つだ。また、同社では一つの口座で取引ができるため、CFDを選択肢に加えることにより、多様で、グローバルなポートフォリオの構築ができる強みがある。
●下降局面でも利益のチャンス
CFD取引では下降市場で利益を生み出すチャンスがある空売り取引が可能。空売りは、下降市場時に売りポジションを建て、より価格が下がった時点で買い取引でポジションを決済することで、その差額が利益になる取引。通常の現物株取引とは異なり、簡単に空売りができるため、いかなる市場の動きでも利益を生み出すアドバンテージが手に入る。また空売りは、取引ポートフォリオの現物株式などの短期的ヘッジにも活用することが可能になる。

●CFDと株式の違い―ポジションを建てる
本田技研工業株(ホンダ株)を例にとってCFDと現物株を比較をしたい。ホンダ株が3780/3790(売値/買値)円として、500現物株CFD を購入する。買値は3790円。本田技研工業の株価はいずれ上昇すると予想する。
通常の現物株取引は、当初出費額として、ホンダ株の現物株を1株あたり3790円、500株(合計189万5000円)分の100%が必要となる。一方、CFDでは、証拠金取引のため、1現物株CFDあたり3790円、500現物株CFD(合計189万5000円)分のわずか10%で、ホンダ株現物株CFDのCFDポジションを建てることが可能になる。
通常の現物株取引では、片道1700円の手数料がかかるのに対し、CMCマーケッツの場合、取引手数料は無料。
取引で発生する出費合計額は、189万500円、同数量のポジションを取引するが、通常の現物株取引(合計出費額189万6700円)に比べて170万7200円安くなる。
| CMC Markets |
通常の現物株取引 |
買値 |
3,790円 |
買値 |
3,790円 |
数量 |
500 |
数量 |
500 |
取引金額 |
1,895,000円 |
取引金額 |
1,895,000円 |
当初証拠金(10%) |
189,500円 |
当初出費 |
1,895,000円 |
手数料 |
0円 |
手数料 |
1,700円 |
出費合計額 |
189,500円 |
出費合計額 |
1,896,700円 |
●CFDと株式の違い―ポジションを決済
翌日ホンダ株の株価は、4170円に上昇し他とすると、ポジションを持ち越し、反対売買を行うことで、本田技研工業株式CFDを4140円で500現物株CFDを売却する。
ポジションを決済することで、19万円の利益となります。純利益は、総利益から手数料、オーバーナイト金利を総利益から差し引いた額。
通常手数料は、通常の現物株取引では手数料がかかる一方、CMCマーケッツの場合、当社の取引手数料が完全無料のため、同社との取引による純利益が18万9842円であるのに対し、通常の現物株取引では、純利益は18万6600円になる。
利益が出た場合の例をとって説明したが、相場商品だからリスクもある。実際の取引額が大きくなるためにマーケットの変動や取引額によっては預けた金額を損失が上回る可能性がある。リスク管理には十分気をつけて対応することは言うまでもない。
なお、気になる手数料は、CMCマーケッツの場合、日本現物株CFDの取引手数料は片道630円(税込)から、株価指数、業種別指数、債券、FXの各CFDは取引手数料完全無料。9月末まで全CFD銘柄が取引手数料が完全無料〔※〕となっている。
※金利や両替手数料など別途費用が必要。
| CMC Markets |
通常の現物株取引 |
売値 |
4,170円 |
売値 |
4,170円 |
総利益/損失 |
190,000円 |
総利益/損失 |
190,000円 |
手数料合計 |
0円 |
手数料合計 |
3,400円 |
オーバーナイト金利 |
158円 |
オーバーナイト金利 |
0円 |
純利益/損失 |
189,842円 |
純利益/損失 |
186,600円 |
投資リターン率 |
100% |
投資リターン率 |
9.8% |
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